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敵はまだまだ多い!

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麦門冬 P6230017
今月は、調理実習についてのアンケートを行っております。
すでに、「アンケートの実施に意味があるのか・・」と疑問に思っており、途中で止めようかなとも思っていますが・・。
ほとんどの方が、「調理実習には興味がない」と回答しています。
ただ、数人の方は「良い機会だ、やってみたい」と回答してくださっているので、その意見をどのように反映させるかな・・・と考えています。
そのアンケートに
「現代栄養学には科学的根拠があるけれど、薬膳(中医学)の根拠がわからず、そうなんだ、と納得していいものか」と書いた人がいました。
科学的根拠がある生薬などもありますが、基本的に「長い歴史に裏打ちされた臨床結果」が中医学の根拠だと思います。
(そう言い切っていいのか、もっと専門の先生に聞いてみますが)
西洋栄養学でも、医学でも、日進月歩で新しい発見があり、その結果
「今までの認識は間違っていた」
ということも多数あるわけで、それは科学的根拠が間違っていた、間違ったものを信じていたわけですよね。
私は西洋栄養学も重要で、西洋の話も取り入れて講義をしますので、両方ともに違う個性と「食材・身体の捉えかた」があると考えます。
ちがう捉えかたがあるから、両方の良いところを取ると最強になると。
そして、化学的根拠しか信用しないなら、中医学の観点、モノサシから、自分のなかに今まで無かった新しい概念を取り入れることが出来ないなら、勉強しても無駄だと思います。
なぜなら、自分の中にない概念(中医学)を拒否している状況で勉強しても、薬膳を身につけることは難しいでしょう。
ただ、そういう人も珍しくはないので、
「科学的根拠がないから、学問としては認めない」
と母校の大学の先生たちには言われますし、EBMが最も大事な分野もあると思います。
今の時代では、中医学は科学的根拠がないとされていますが、未来では根拠が見つかっているかもしれない。
なにより、コレだけ体系のしっかりした学問で、体調管理において結果を出しているものを
「目で見える科学的根拠がない(勉強をしていれば、成分や根拠がはっきりしているものがあることはわかる)」
という理由だけで納得しない、拒否するなんて、もったいないなと思います。
講演先や、薬膳を知らない人にそのような質問をされることはありますが、それは
「薬膳を知らない」「勉強してない」「そもそも勉強するつもりもない」
場合がありますから、「長年の歴史における膨大な臨床データが根拠ですよ」
と説明しますし、説明して伝えることが義務だと思いますが、1年以上通われている生徒さんが今更そのように書くと、むなしくなります。
いったい1年以上、教室に参加して何を学んでいたんだろうか?納得できないのに講義を聞いて何の役にたっていたのだろうか?
内容の濃い講義を心がけて伝えていたはずなのですが、そもそも、
西洋栄養学も、中医学・薬膳も、それぞれに根拠としているものはあり、尺度・捉えかたが違い、比べる次元にはないのでは・・・

瀧本靖子

このブログの著者

瀧本靖子

中国医学研究家、国際中医師、国際薬膳師、管理栄養士、オールアバウトガイド、フードコーディネーター、ソムリエ協会認定ワインエキスパート

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